非認知能力を育てる
非認知能力とは
ノーベル経済学者のジェームズ・ヘックマン教授ら多くの学者たちが挙げる人生を成功に導くキーワード。それが「非認知能力」です。
意欲、忍耐力、自制心、協調性、リーダーシップや社会性、難解な課題にぶつかった際の粘り強さ、創造性、好奇心など、さまざまなものがあると考えられています。
これらの能力は日常生活・社会活動において重要な影響を及ぼしますが、学力テストなどで数値化をすることが難しいため、非認知能力といわれています。
※OECDでは、非認知能力に値する力を「社会情緒的スキル(Social and Emotional Skills)」と呼んでいます。
なぜ非認知能力の育成を重視するのか
近年、子どもに英会話やプログラミング教育を推奨する教育方針も見られますが、当社ではアメリカで行われた「ペリー幼稚園プログラム」の結果などをもとに、幼児教育では非認知能力を優先して育成すべきだと考えています。
ペリー幼稚園プログラムから見る、幼児教育の重要性
ペリー幼稚園プログラムとは、1960年代にアメリカミシガン州で行われた調査です。経済的な理由で幼児教育を受けることができない貧困世帯の3~4歳の子どもたち123人を半分に分けて、一方のみに週3回2年間、1日3時間のフリースクールに通ってもらい、「子ども自身による遊びの計画と実行」「週に1度、教師による家庭訪問」などの非認知能力が育つとされている教育を施することで、それが将来的にどう影響するかを長期的に調べました。
調査対象者のデータを集計し比較すると、6歳時点でのIQ、19歳時点での高校卒業率、27歳時点での持家率、40歳時点での所得はいずれもフリースクールに通ったグループが大幅に高い結果となりました。
さらに、27歳時点での生活保護受給率や40歳時点の逮捕率についてもフリースクールに通ったグループのほうが低い結果が出ました。
「教育を受けた結果IQが伸びたからでは?」と思うかもしれませんが、9歳ごろになるとIQの差はほとんどなくなります。
つまり、IQや学力といった認知能力は、小学校低学年以降はフリースクールに通うか否かで大きな変化はありません。
教授は、彼らが大人になってより幸せでいられるのは、フリースクールに通って認知的な能力を伸ばしたからではなく、認知的な能力以外(非認知能力)を身につけたことが大きな要因ではないかと考え注目しました。
このような調査などを参考に、当社では乳幼児期は、数、文字、形、論理等、IQ等のテストで測ることができる認知能力よりも、基本的な人格形成へとつながる、より良い人間性の土台となる、非認知能力の基礎を育むことが最も重要であると考えています。
非認知能力の育成は幼児期が重要
非認知能力は大人になってから高めるよりも、脳が柔軟で、急速に発達する幼児期に意識的に高める方がより効果的です。多感な時期に非認知能力を最大限引き出すことで、子どもの未来の可能性を広げることができるでしょう。
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